「タイヤの溝=安全」は間違い?雨の日に必要な排水性能と交換の目安

車のお役立ち情報

車と道路をつなぐ唯一のパーツであるタイヤ。実は、その接地面積はハガキ1枚分ほどしかありません。

限られた面積で「走る・曲がる・止まる」という動作を担っているため、タイヤの状態は安全性に直結します。

特に雨天時は、タイヤの排水性能が大きなカギを握っているのです。

雨の日に危険!タイヤの溝と排水性能の関係

想像してみてください。革靴とスニーカーで濡れた道を歩いたとき、滑りにくいのは溝が深いスニーカーですよね。

車のタイヤも同じで、溝(トレッドパターン)が多いほど雨水を逃がしやすく、グリップ力が保たれます。

逆に溝が減ってしまうと、路面とタイヤの間に水の膜ができやすくなり、スリップや制動距離の悪化につながります。これがいわゆるハイドロプレーニング現象です。


つまり、タイヤの排水性能は「安全に止まれるかどうか」を左右する最重要ポイントなのです。

タイヤ交換の目安は「スリップサイン」と「製造年」

タイヤが安全に使えるかどうかを判断するには、次の2つをチェックしましょう。

1. スリップサインを確認

残り溝が1.6mmを下回ると、法律で走行不可と定められています。タイヤにはその基準を示す「スリップサイン」が刻まれており、これが見えたら即交換が必要です。

スリップサインはタイヤの側面に三角マークが刻印されており、その高さを下回ると1.6mmより少ないという意味です。

すぐ確認できるので車に乗る前に定期的にチェックするようにしましょう。


また、法律上は1.6mmまで使用可能ですが、実際には溝が新品時の半分(約4mm以下)になると性能が急激に落ち始めるため、早めの交換がおすすめです。

2. 製造年をチェック

タイヤは年数が経つと紫外線や気温の変化、ゴムの硬化などで、ひび割れや排水性能の低下を招きます。

たとえ溝が残っていても安心できません。

排水性能の低下に加え、走行中のバーストを引き起こす可能性もあります。

高速道路走行中に路肩に停車し、追突されて亡くなるケースが多く、命に関わることなのでここはしっかり把握しておきましょう。

側面に記載されている製造年週を確認し、5年以上経過したタイヤは交換オススメします。

スタッドレスタイヤの落とし穴:雨の日は要注意

「溝が深いから雨にも強い」と思われがちなスタッドレスタイヤですが、実は夏タイヤより排水性能が劣ります。


理由は2つあります。

  • 溝の形状が雪を排出する設計になっており、雨水を逃がす力は弱い
  • ゴムが柔らかく吸水性が高いため、水膜ができやすい

そのため、スタッドレスを履いたまま梅雨や雨の日を走ると、夏タイヤ以上に滑りやすくなります。
雪がない季節は必ず夏タイヤに履き替えることが、安全走行の絶対条件です。

まとめ:雨の日は「溝」と「ゴムの状態」を必ず確認

雨天時に安全に走るためには、

  • 十分な残り溝
  • 劣化していないゴムの柔軟性

が不可欠です。

「まだ溝があるから大丈夫」と思い込まず、製造年やゴムの状態までしっかり確認しましょう。もし不安があれば、ディーラーやタイヤ専門店でプロに相談するのが一番確実です。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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